伊藤和夫さんの文章に、私が所々に修正や注釈を加えたものです。なお、注釈ではかなりの主観性が入っています。
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これが唯一の中国(系)社会のルールというわけではなく(もちろん日本のように多くのローカルルールがあるでしょう),「上海(新)ルール」という別の体系があります。こちらは,資料不足で詳細がわからないのですが,普及に手まどるほど多くの役があり,複雑な点数計算をするらしいです。
中国大陸の政府公認ルール(庶民がこれで遊んでいるというわけではない)は,上海新ルールベースだといわれています。大陸の麻雀の本は,昔ちらっと見たことがありますが,確かに「これ憶えるの?」というほど,見たこともない役がありました。牌を組み合わせる自由度の高さには,あこがれましたけど。あと,点数計算が加点式で,掛け算はなかったような気がします。
香港に話を戻します。ルールの概要を,日本ルールとの違いを中心に。
日本ルールであこぎなのはリーチ+裏ドラですが(アリスとかメチャクチャ なのはのぞいて),中国ルールでは,自模ると何と点が3倍になります。 これは,上海新ルールでも,台湾の16枚ルールでも同じだとのこと。 【注】本来、それは中国古典麻雀の荘家の2倍収支を荘家から放銃者・自摸和り者に移転したことによる生じた付随現象ですが、古典麻雀が忘れ去られることと共に、「自摸」はいつの間にか1翻役と認められて、「自模がデカい」という現象は既定観念になってしまい、「自模がデカくないのは,麻雀じゃない」とよく思われるようにまでなっていました。そして、それが上海新ルールや台湾の16枚ルールで継承され、中国政府公式ルールにも近似なルールが採用されています。
符点計算は廃止されています。よって,翻数を数えればおしまいです。 荘家・散家の区別も,言葉としては残ってますが,点数上は撤廃されています。考えうる限り単純なシステムで,それが,広東(香港)ルールの普及に一役買ったという人がいます。
役は,おおまかにいうと,順子系の役と幺九系の役がありません。
門前優遇は日本だけですので,当然,喰い下がりなどありません。
しかし,役の性質上,国士と九連は門前でないとダメです。
【注】「リーチ」がないかわりに、「門前清」を1翻役と認めるローカルルールがあります。でも他の役の喰い下がりなどはありません。
「中国ルールは何でもあがれる」と聞くことがありますが,実際のところでは,翻しばりは広く普及していて,何翻しばりは事前に決めなければなりません。ギャンブル指向のプレイヤーほど,しばりを上げるそうです。 ちょっと昔のいわゆる「標準」ルールでは,翻しばりはありませんが,今時翻しばりなしでやっている人はやや少なくなっています。3翻しばりしないと麻雀じゃないと思う人もいて,6翻しばりでやっている人さえいます。翻しばりなしでは,高い手がかなり出にくいからです。
ただでさえ役が少ないので,1〜2翻しばりでも,かなり窮屈です。 3翻以上のしばりは,ゲームを非常に単調にします。 染めか対々しかほとんどあがれなくなってしまいます。
リーチ麻雀に慣れてる人にショックなのは,三家払いでしょう。自模でなくても,誰かが包にならない限り,あがってない人は全員点棒を出す必要があります。振り込みの場合,振り込んだ人は,他の人の倍払います。自模だと,全員が倍出しです。自模は,それ自体も1翻役なので,実に優遇されています。
役が少ないのに,高いしばりで役を重視するのが広東ルールの特徴らしいです。なお,花牌の1翻は,ドラと違い,役あつかいです。よって,翻しばりがあるときにも,翻数に含めます。
古典的な満貫役(=役満)は,一般に役満と認められます。 ソフトや人によっては,一部を忘れ去ってしまっていることもあります。 Four Winds Mahjongのように, ルールと役を自分でカスタマイズできるソフトもあります。
ローカルルールでは,上海新ルールや海外の役を取り入れることもあります。たとえば,
新ルールと言えば,花牌関連で,こんな不規則役があります。 香港製のMJ99というソフトでは,役と認められています。
これらはアメリカ役です。 アメリカ製のHong Kong Mahjong というソフトでは,役として認められていますが,普通は,使われません。
点数表は至って単純で,符をなくした上で,デノミしたようなシステムです。なお,数字は便宜的なものです。点棒もあまり使われません。では,何が使われるかというと,現ナマらしいです (^^;)。賭けないと気が済まない人は,「1 laak」が満貫相当ということを念頭に置いてレートを決めましょう。点棒を使うなら,100点を1点にすれば良いと思います。
放銃の欄の倍の点数は,振り込んだ人が支払う点数です。
| 飜数 | 放銃 | 自模 |
|---|---|---|
| 0 | 1+1+2=4 | [自模あがりは1翻なのでありえない] |
| 1 | 2+2+4=8 | 4+4+4=12 |
| 2 | 4+4+8=16 | 8+8+8=24 |
| 3 | 8+8+16=32 | 16+16+16=48 |
| 4〜5=1 laak | 16+16+32=64 | 32+32+32=96 |
| 6〜7=2 laak | 32+32+64=128 | 64+64+64=192 |
| 8〜=3 laak | 64+64+128=256 | 128+128+128=384 |
役満(おそらく中国名は満貫)は,3 laakです。
チョンボは,3人に128点払うそうです(ローカルルール)。
【注】「役満」「満貫」の呼び名の由来に関しては、Mahjong WalkerルールFAQ:役満:問16、問24で解説されます。ご参照下さい。
包:清一色,大三元,大四喜に適用します。ここでは例として清一色にのみ解説します。大三元,大四喜の包のルールも同じ筋のものです。
(1):3つ哭いている人に清一色を放銃したら,3人分の点棒を一人で払わなければならない。
(2):3つ哭いている人に4組目を哭かせた人は,哭いた人が清一色で自摸あがったら,3人分の点棒を一人で払わなければならない。(自摸だからとっても痛いです。)ロンあがりなら放銃者が3人分の点棒を払う。
包が成立するには,3つ/4つ哭いた人の宣言が必要です。宣言は,別に哭いたその時点でなくても,構いません。哭いた人が宣言を忘れる場合、放銃者が包則不適用と主張しながら、他家が包則適用と主張して、結局あがった人は放銃者から1人分の点棒しかもらえなく、大損になります。
包には,「やむを得ず振った場合は,3人払い」という例外があります。
包ににた罰則に,次のようなものがあります。
最後の一巡に初牌で放銃したら(ローカルルール):
山の残り牌が4枚以下の時に初牌を切って放銃したら,
3人分の点棒を一人で払わなければならない。
(おわり)