中国東北地方の民間ルール


参考資料:李金著「麻將一週通」1993年 北京 人民體育出版社
日本語訳:伊藤和夫
注:関兆豪

1. 準備,その他

2. 開局

3. 一巡目…喜について

4. 局中の特記事項

5. 限定局

説明の順番が悪いですが,ここで限定局について説明しておきます。 一言でいえば,アドリブ麻雀です。荘家が,牌を積みおわってから 配牌を引きはじめるまでの間に,アドリブで手の形と点を決め, 決めた点数を供託することで成立し,その局の間だけ有効です。

中国大陸の役が妙に多いのは, こういう形でいろいろ役が創造されてきたからではないでしょうか。 カードに出てる役を作ることを目指す,アメリカのユダヤ系女性のルールとも 相通じるものがあります。

限定局は,おおむね3つのタイプに分けられます。

(1)特定の面子を1つ使うことを要求する。

この面子は指定した牌1枚ずつからなる3枚組です。ほとんどの場合, 順子,刻子にならない組み合わせが指定されます。他の面子は, 喜と雀頭を除いて,順子か刻子(槓子)でなければなりません。 役は不問です。例としてあげられているのは,

これから推測すると,歴史的な事物になぞらえるのがパターンのようです。

(2)手役を限定する。

手役の創造や,チーと混に関するルール変更を伴うことがあります。 これで作られた役は数十を下らないそうです。例としてあげられているのは,

(3)その他

(1),(2)どちらにも属さないもの。たとえば,

6. 点数

6.1 大役

役の複合関係が整理されてなく,複合役に別の名前が付いています。

清一色…20点

すべて刻子なら別の役になる(対々和参照)。三元セット・刻子, 四風牌の刻子を入れてもよいし,字牌を雀頭にしてもよい。 ただし字牌を雀頭,刻子に入れたときは,厳格でない清一色として10点減点する。 三元セットは,入っていても減点されない。混をどこに使ってもよい。 喜があるとき,その内容は不問。

混,喜については,以下特に記さない限り同様。

例:(風=西北, 混=一筒二筒)

[手牌] 中 二筒 白四萬 四萬 [副露] 一萬 二萬 三萬西 西 西 [喜] 九萬 九索 一筒

	清一色		20
	字牌刻子あり	10-
	混2枚		 2
	三元セット	 1
	風(西)		 1
	喜		 1
			15点

一条龍(一気通貫)

清龍,渾龍,花龍の3種類がある。123,456,789が全部手の内にあるときを 活龍,どれか1つでも哭いていると死龍といって点が半分になる。なお, 1〜9が全部手牌にあれば,のこりの1面子を哭いていても死龍にはならない。 混をどこに使ってもよい。

(1)清龍(活龍40点,死龍20点)

厳格な清一色の一条龍,つまり字牌の刻子,雀頭がない場合。

例:(混=二索三索)

[手牌] 中 發 二索四萬 四萬三索 二萬 三萬四萬 五萬 六萬二索 八萬 九萬

40点=満貫なので,小役は数えない。

例:

[手牌] 中 發 白一萬 二萬 三萬四萬 四萬四萬 五萬 六萬 [副露] 七萬 八萬 九萬

	死清龍		20
	三元セット	 1
			21点

(2)渾龍(活龍30点,死龍15点)

厳格でない清一色の一条龍,つまり字牌を刻子,雀頭に使っている場合。

例:(場風=西, 混=二萬三萬)

[手牌] 一筒 二筒 三筒二萬 五筒 六筒三萬 二萬 九筒中 二萬 [副露] 西 西 西

	活渾龍		30
	混4枚		 4
	風		 1
			35点

例:(混=一筒二筒)

[手牌] 二筒 二索 三索七索 一筒 九索中 中 [副露] 四索 五索 六索 [喜] 東 南 一筒

	死渾龍		15
	混3枚		 3
	喜		 1
	平和		 1	(喜は役の形をみるときは無視される)
			20点

(3)花龍(活龍20点,死龍10点)

数牌2種以上を使った一気通貫。

例:(混=五索六索)

[手牌] 一索 二索 三索四筒 五筒 六筒七萬 八萬 九萬中 發 白八萬 五索

	活花龍		20
	混1枚		 1
	8の雀頭		 1
	三元セット	 1
	自模		 1(自模ったものとして)
			24点

[注]「活花龍」と「三元セット」の複合役なら,「平和」と「門清」は必ず 含まれているので,後二者は数えられない。

例:(混=五萬六萬)

[手牌] 四筒 五筒 六筒七索 六萬 九索二索 二索 [副露] 一萬 二萬 三萬 [喜] 南 北 五萬

	死花龍		10
	混2枚		 2
	2の雀頭		 1
	喜		 1
			14点

窮和(満貫)

まったく点のない手であがる。四色窮和,三色窮和,清三色窮和,二色窮和と いう区別が紹介されているが,点はいずれも満貫である。この名前は,限定局で 手の形を指定するときに使われる。

点があってはいけないので,特に断幺,平和,門清にならないように気をつける。 オタ風を頭にすれば断幺を回避できるし,オタ風の刻子か自風・場風・三元牌の 雀頭があれば,平和と断幺を同時に避けられる。オタ風を哭けば,3つを全部 避けられる。

混は1点つく上,切れないので,混が1枚でも来てしまったら,窮和は狙えない。 聴牌後に混が来たときの扱いは,ローカルルールにより異なる。1つは,窮和聴牌後, 手牌を全部伏せれば(=手を変えない),混での自模あがりを認めるだけでなく, 混を自模ったら点数を2倍(=80点)にするというもの。もう1つは,混を引いたら 窮和を認めないというものである。

(1)四色窮和

数牌3種と四風牌,三元牌のいずれかからなる手。

例:(窮和だから混は手にない)

[手牌] 二索 二索 二索三筒 四筒 五筒中 中 [副露] 六萬 六萬 六萬一萬 二萬 三萬

(2)三色窮和

数牌3種からなる手。字牌の有無は無関係。

例:(西はオタ風として)

[手牌] 三索 四索 五索四萬 五萬 六萬五筒 五筒 [副露] 西 西 西二筒 三筒 四筒

字牌の刻子・雀頭があれば,断幺にならない。

(3)清三色窮和

数牌3種からなり,字牌のない手。

例:

[手牌] 七萬 八萬 九萬三萬 四萬 五萬二筒 二筒 二筒四索 四索 [副露] 一索 二索 三索

(4)二色窮和

普通は,限定局でしか役として採用されない(1点の小役, 欠門が成立してしまうので)。数牌2種からなる手,字牌の有無は無関係。

例:

[手牌] 二索 三索 四索五索 五索 五索七索 七索 [副露] 二萬 三萬 四萬九萬 九萬 九萬

対々和

雀頭以外はすべて刻子の手。三元セットも刻子扱いできる。

(1)清一色清対々(満貫=40点)

一九牌を使わない清一色の対々和。字牌の刻子,雀頭があるときは10点減点。 三元セットは減点対象にならない(以下同様)。

例:(混=二筒三筒)

[手牌] 八萬 八萬六萬 六萬 六萬 [副露] 二萬 二萬 二萬七萬 七萬 七萬 [喜] 東 南 二筒

満貫なので小役は数えない。

(2)清一色渾対々(30点)

清一色を満す対々和。字牌の刻子,雀頭があるときは10点減点。

例:(混=三萬四萬)

[手牌] 一筒 一筒 一筒白 白 [副露] 二筒 二筒, [喜] 九萬 九索 三萬 東 南 一索

	清一色渾対々	30
	字牌の雀頭	10-
	混1枚		 1
	喜		 1
	喜に+3枚	 1
			23点

[訳注]この喜は一体何なんでしょう?しばらく理解できなかったのですが, 原著の末尾の技術編に,風喜,九喜,幺喜の他に,突如として風九喜というのが 出てくるのを見つけました。きっとこれに違いありません。なお,そのくだりでは, 風喜,九喜,幺喜,風九喜がすべて可能な手牌を例にあげて,この4種の喜の 是非を論じているので,風幺喜とか幺九喜という喜はないことがわかります。

(3)渾色清対々(20点)

一九牌を使わない対々和。字牌の刻子,雀頭があるときは10点減点。

例:(混=一筒二筒)

[手牌] 發 白 一筒二索 二索 二索二萬 二萬 [副露] 中 中 中 [喜] 南 南 西 西 一筒 西

	渾色清対々	20
	字牌の刻子	10- (中の刻子による。三元セットは減点対象でない)
	三元セット	 1
	三元牌の刻子	 1
	2の雀頭		 1
	混2枚		 2
	喜		 1
	喜に+3枚	 1
	欠門		 1
			18点

(4)渾色渾対々(10点)

(1)〜(3)に相当しない対々和。字牌の刻子,雀頭があるときは10点減点されて 0になってしまう。

例:(混=二筒三筒)

[手牌] 中 發 白一萬 一萬 一萬三索 三索二筒 八筒 八筒 [喜] 九萬 九索 三筒

	渾色渾対々	10
	(三元セットを刻子扱いしても,10点減点の対象にはならない)
	混2枚		 2
	8の雀頭		 1
	三元セット	 1
	喜		 1
	門清		 1 (喜は門前に影響しない)
	自模		 1 (自模あがりと仮定して)
			17点

(5)幺九対(90点)

一九牌のみの対々。字牌の刻子,雀頭を入れても減点されない。

例:(混=二筒三筒)

[手牌] 中 發 二筒九索 九索三筒 一筒 一筒 [副露] 九萬 九萬 九萬 [喜] 南 西 北

満貫を超える手なので,小役は数えない。

七小対(20点)

七対子。混は使える。喜は不可。点数は20点に固定されており,小役は数えない。

例:(混=一筒二筒)

西 西中 中一萬 一萬二索 一筒四索 四索六萬 二筒五筒 一筒

全求人(20点)

裸単騎のロンあがり。混入りの面子は哭けないので,混が2枚以上あると, 作れない。

例:

[手牌] 二索 二索 [副露] 中 中 中一筒 二筒 三筒七萬 八萬 九萬 [喜] 南 西 北

	全求人		20
	2の雀頭		 1
	中		 1
	喜		 1
			23点

天和(満貫)

天和だが,喜をさらしても認められる。

例:(混=二萬三萬)

[手牌] 中 發 白南 南一筒 二筒 三筒二索 三索 四索 [喜] 九索 九筒 二萬

地和(20点)

荘家の第1捨て牌か,自分の最初の自模であがったとき。天和同様, 喜があってもよい。

十三不靠(満貫)

数牌は,すべて同種の牌と2牌以上(スジ以上)離れていなくてはならず, 雀頭以外には,2つ以上同じ牌があってはならない。喜があってはならない。 1枚だけの四風牌,三元牌も使えるが,三元牌は三元セットになっていてはならない。

例:

南 南西 北 東 發 白 三萬 六萬 九萬 二索 六索 一筒 五筒

大三元(80点)

三元セットが3つある手。ワイルドカードが使えるとは言え, 哭けない分,難易度が高くなっています。

例:(混=一筒二筒)

[手牌] 中 發 白中 一筒 白二筒 發 白二索 二索 [喜] 南 西 東

小三元(60点)

三元セット2つと三元牌の雀頭がある手

例:(混=二索三索)

[手牌] 中 發 白中 二索 白發 三索二筒 三筒 四筒 [副露] 一萬 二萬 三萬

十三幺(130点)

一九牌字牌だけからなり,雀頭の他の牌は1枚ずつしかない手。喜があっては ならない。字牌が雀頭でも,減点されない。

例:(混=二萬三萬)

中 發 二萬 東 南 西 北 北 九索 九萬 九筒 一萬 二萬 三萬

6.2 小役

(おわり)