資料的な価値があるだけでなく,実際やってみると, とても繊細で面白いルールです。符点の重みをズシリと感じることができます。
+--+ +--+ +--+--+--+--+--+--+--+ +--+--+--+--+--+--+--+ +--+--+--+--+--+--+--+のように,開門位置手前の2枚の牌を,上に載せます。 もともと上にあった牌を海底に近い方に,下の牌を海底から遠い方に置きます。 槓ごとに,王牌の枚数は減ります。16という枚数には合理性があります。 一度もポン・チーがなかったとき,全員の自模回数が同じになりますし, 4×4=16ですから,4人全員が4つ槓しても,足りなくなりません。
| 点数 | 旧 | 新 | 本数 |
|---|---|---|---|
| 500 | 6-6 | 赤点5つ | 2 |
| 100 | 1-1 | 赤点1つ | 9 |
| 10 | 4-4 | 黒点10こ | 8 |
| 2 | 3-1 | 黒点2つ | 10 |
文牌(同じ柄が2枚ずつある) 天 地 人 鵝 梅 (あとは漢字の名前がわからん...) +----++----++----++----++----++----++----++----++----++----++----+ |●○|| ● ||●●|| ○||○○|| ||○○||○○||○○||○○||○○| |●○|| || || ○ || ○ || ○ || ||○○||○○||○○|| ○ | |●○|| ||●●||○ ||○○|| ○ || ||○○||○○||○○||○○| | || || || || ||○○|| || || || || | |○●|| ||●●|| ||○○|| ○ || ||○○||●●|| || | |○●|| || || || ○ || ○ || || ○ || || || | |○●|| ● ||●●|| ● ||○○|| ||○○||○○||●●|| ● || ● | +----++----++----++----++----++----++----++----++----++----++----+ 武牌(各1枚しかない) 九 八 七 六 五 三 +----++----++----++----++----++----++----++----++----++----+ |○○||○○||○○||○○||○○||●●||●●||●●|| ○||○○| |○○|| ○ ||○○|| ○ || ○ || || || || ○ || | |○○||○○||○○||○○||○○||●●||●●||●●||○ || | | || || || || || || || || || | | ○||●●|| || ○|| || ○|| || || || | | ○ || || || ○ || || ○ || || || || | |○ ||●●||○○||○ ||○○||○ ||○○|| ● ||○○|| ● | +----++----++----++----++----++----++----++----++----++----+
脱線しすぎました。麻雀に話を戻します。
例えば,
| 東 | 16点 |
| 南 | 36点(あがり…栄和でも自模和でも) |
| 西 | 8点 |
| 北 | 20点 |
| 西→東 | (16 - 8) x 2 = 16点 |
| 東→北 | (20 - 16) x 2 = 8点 |
| 西→北 | 20 - 8 = 12点 |
現行の中国の各種ルールでは,日本の各種ルールと同様に, 和了者しか点数を計算しません。欧米に紹介されたのは, ある種のローカルルール(上流階級のもの?)だったとは考えられますが, 大体は,Millington氏の指摘するように,民間ルールは単純化の産物で, 中国と日本の単純化が,偶然同じ方向へ向ったでしょう。 全員で点を計算して,なおかつ引き算が必要とは,確かに面倒です。
1. 刻子槓子の点。おなじみのものです。全員がスコアできます。
| 明刻 | 暗刻 | 明槓 | 暗槓 | |
|---|---|---|---|---|
| 中張牌 | 2 | 4 | 8 | 16 |
| 幺九牌 | 4 | 8 | 16 | 32 |
2. 雀頭の点。全員がスコアできます。あがってない人は, 対子1つだけに符点を付けられます。
| 三元牌 | 2 |
| 自風・場風 | 2 |
| 連風牌 | 4 |
3. 花牌。全員がスコアできます。
花牌を使うなら,1枚につき4符です。
4. あがった人専用のボーナス点
地方によっては,下記の和了者の翻数の一部が符点になっていることがあります (Millingtonさんの本では,「上海」と名指しされてます)。
| 平和 | 10(副露可,待ち不問) |
| 対々和 | 10 |
| 嶺上開花 | 10 |
| 海底撈月 | 10 |
| 河底撈魚 | 10 |
| 開局リーチ | 100 |
5. 全員がスコアできる翻数…翻牌と花牌
6. 和了者だけがスコアできる翻数…手の形と和了方式
アメリカでは,和了者以外も清一色で3翻得られると誤って伝えられました。 そこで,誰もが染めに走り,染め以外は和れないというルールが 登場する事態となりました(Cleared-Hand Game)。 もうひとつ,アメリカで1920年代に産まれたルールに, 1翻しばりがあります(One Double Game)。 これは,点の高い役を作ることばかり重視した結果のようです。 日本で戦後1翻しばりが導入されたのは,米兵の影響かもしれませんね。
先に翻しばりがないことが古典ルールの要点だと述べましたが, 翻しばり→ゲームの自由度減少,役の相対価値減少→新しい役の導入・ インフレ化→役の一層の価値減少→一層のインフレ化は必然の帰結です。 裏ドラは確かにひどいルールですが,裏ドラを責める前に, 翻しばりを見直さないと,結局同じ過程を辿ることになるでしょう。
実際,1920年代のアメリカでは,麻雀の普及期だったこともあり, これでもかというほど役やルールが発明され,大混乱を引き起したようです。 進取の気性に富む国民性が,裏目に出てしまったのでしょうか。 Millington氏はイギリス人なので,これらのルールを説明するついでに, アメリカ人をボロクソにけなしています。 他人なのに,読んでて,アメリカ人が気の毒になるくらいです。 参考にした書籍が,アメリカでは売られていない理由が, よく分かりました。
[注]でも、今のアメリカ公式AMJL麻雀を見ると、4面子1雀頭 のあがりの基本形まで廃止し、数々の特殊な形の手でしかあがれなくなり、 それはまるでもう「麻雀」とはいえないのではないでしょうか。それを 思うと、けなしたくなるのも仕方ないかも。
7. 満貫役。当然,和了者限定です。自動的に満貫となります。
地方によっては,認められない役もあると書かれています。 参考までに,Millingtonさんの本に出ている中国語の表音表記から 推測した当時の中国名を付記しました。「四福臨門」って素敵ですね。
事前協議が必要な満貫役(=ローカルルール)には,次のようなものがあります。
(おわり)